2-4 糖鎖を認識する分子

レクチンは糖鎖結合タンパク質であり、糖鎖に結合活性を示します。レクチンは 100 年以上前に植物で最初に発見されたものですが、現在では自然界に広く存在することが知られています。現在ではウイルスからヒトまで全生物に存在することがわかっています。レクチンは細胞間の認識に重要なだけでなく、生体防御や発生など様々な生命現象に関わっています。多くのレクチンは多量体を形成するため、分子内サブドメイン内に糖認識サイトを一つしか持っていない場合でも多量体を形成することで、糖鎖分子を介した架橋を形成する能力(凝集能)を有するものが多いのが特徴です。

また、” 多価である ”レクチンが多く存在するというのも特徴のうちのひとつです。レクチンは 3 つの種類に区別することができます。まず、1 つ目はメロレクチンです。メロレクチンは糖結合ドメインをひとつ持っています。次に、2 つ目はホロレクチンです。ホロレクチンは糖結合ドメインを 2 つまたはそれ以上持っており、それらが同じであるか非常に類似した構造になっています。そして、3 つ目はキメロレクチンです。キメロレクチンは糖結合ドメインを 1 つまたはそれ以上持っており、その他にそれと無関係のドメインを持っています。レクチンには、酵素の触媒機能のような明確な役割がわからない場合も多いのですが、レクチンが糖鎖を語るためのキーとなることは間違いありません。実際に、レクチンは進化に多大な影響をもたらしてきました。ダイズやイネなどの全ゲノム配列が解明している現在では、その中から全てのレクチンを探し出して系統樹を作ることができます。また、植物レクチンの分類方法も発展してきました。そしてこれらの研究から、遺伝子の変異がもたらしたレクチンの多様さが厳しい環境の中でも生存できる生物(もちろん逆もあり得る)を産み出したということが明らかになってきたのです。

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図 1:3 種類のレクチンスタイル