2-3 糖鎖の生合成

糖鎖は、糖転移酵素(グリコシルトランスフェラーゼ)と呼ばれる酵素によって合成されます[1]。糖転移酵素は活性ヌクレオチド糖供与体から特定の受容体分子まで糖残基を転移させています。また、糖転移酵素は、供与体基質や受容体基質、結合様式によって種類がわかれており、個体発生の時期や組織によって異なる転移酵素が発現していることもあります。これらを全て合わせると 200 種類以上の糖転移酵素が存在すると考えられています。これらの酵素は原核生物でも真核生物でも見られますが、受容体基質でもグリコシル供与体でも高い特異性を持っています。

糖鎖付加(グリコシレーション)はグリコシド結合で修飾されますが、典型的にタンパク質や脂質に付加する糖鎖のさまざまなタイプを産生します。そのタイプごとに特有の共通な糖鎖部分構造をもっています。共通する構造をコア構造といい、コア構造は、N 型糖鎖、O 型糖鎖、スフィンゴ脂質、グルコサミノグリカン(GAG; glycosaminoglycan)等に分類されます。

  1. N 型糖鎖はアスパラギンの側鎖のアミド基と結合します。N 型糖鎖の基本構造、基本構造にフコースが付いた構造、基本構造にNアセチルグルコサミンが付いた構造、それにフコースが付いた構造があり、さらに高マンノース型・ハイブリット型・複合型に分類されます。植物、無脊椎動物、細菌、微生物によく見られます。
  2. O 型糖鎖はタンパク質のセリンかスレオニン残基に結合します。脊椎動物の機能に関係しています。
  3. スフィンゴ脂質はセラミド分子に単糖が結合した形です。ほとんどの真核細胞の細胞膜の細胞外側の構造形成に重要な働きをしています。
  4. グルコサミノグリカンは二単糖の繰り返し単位をもった直鎖の重合体です。ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラたん硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸があります。

タンパク質の糖鎖糖鎖修には N 型糖鎖、O 型糖鎖、グリコサミノグリカン(GAGs)が修飾します。また脂質の糖鎖修飾には糖脂質(スフィンゴ糖脂質)、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーなどがあります。哺乳類のシステムにおいては、これらの糖鎖は糖転移酵素またはそれとグリコシダーゼの働きを通して順序よく構築されます。グリコシダーゼは糖鎖の構造から特定のグリコシド結合を取り除く酵素です。

 

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