5 糖鎖の生合成を予測!GPP(Glycan pathway predictor)

糖鎖は糖転移酵素に依存した修飾が連続的に起きて作られていきます。つまり、N型糖鎖やO型糖鎖のコア構造と糖転移酵素がわかっていれば原則的に付加される糖やその場所は推測することができます。しかし、DNAやタンパク質が配列が直線構造であるのに対して、糖鎖の配列は分岐構造です。糖鎖の生合成の予測はその複雑さゆえに困難になるのです。

そこで、本研究室では数理的なモデルで糖鎖の基質特異性を表すことにより、N型糖鎖の合成経路の予測ができるGPP(Glycan pathway predictor)というツールが開発されました。

まだ知られていない糖鎖も存在し、全ての糖鎖を網羅することは困難でありましたが、GPPを利用すれば、教育的な面において、理論的に可能な糖鎖構造の全体像を見ることができます。また、時間と手間がかかってしまうノックアウト実験などの予測のためにパスウェイの変化を調べることもできる便利なツールです。

それでは実際にGPPを使ってみましょう!

GPP_TOP

図 1: GPP の入力画面。ユーザーは糖鎖構造の情報を KCF 形式で入力またはファイルをロードし、酵素を選択します。また、計算に必要な糖鎖の分子量の最大値を設定して submit をクリックすることで結果画面を表示させます。

 

GPP_OUT

図 2: 計算された反応経路を示す結果画面。グラフ中の線は各酵素を表しています。各糖鎖構造はリニアコードで示され、図 3 のような一反応の結果画面にリンクしています。

 

GPP_REA

図 3: 一反応の結果を表示する画面。(i) ではクリックした糖鎖構造を画像で表示し、(ii) でその糖鎖に対する一段階の反応を表示します。(ii) の (a) には酵素名とその酵素の EC 番号及び リアクション ID が表示され、(b) にはその酵素の反応によって生成される糖鎖の構造が画像で表示されます。